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大阪で生まれ育った私は、海外への興味から20代上旬に日本を離れました。最初はネパールで日本語教師として活動しました。初めての長期海外生活がカトマンズであったのですが、その日本とはまったく異なった文化が入り乱れる環境に誠に感銘をうけました。何もかもがハンドメイドで、工芸品を作ることが生業の人々の多さは日本では考えられないことでした。こういった環境に身を置いたことが、私自身の芸術への興味をさらに強くしたのは間違いないでしょう。

その後、タンパ(フロリダ州)に移住した私を待っていたのは、現地の陶芸家Wesley Allen(ウェスリー・アレン)との出会いでした。彼の作品が目にとまったのは、それらにとても日本的な影響を感じたからです。日本とはほぼ地球の反対側に位置するこの場所で、日本の陶芸の流れを取り入れた陶芸家に出会うとは思ってもいませんでした。学生として移住した私はその終了に伴い、Wesleyの元で陶芸を学ぶこととなりました。

陶器を作る過程はとても面白く、奥深いものだと知りました。Wesleyの天才的なデザイン力に、元々手が器用な私の細かい作業への安定性を加えることによって、作品の幅が大きく広がりました。更なる日本的影響が加わったことも間違いありません。

日本を離れてこそ、どういったものが「日本的」であるかということが理解できてきたような気がします。華やかさとシンプルさの両面を抱えて発展してきた日本の芸術において、近年注目されているのはシンプルなものです。その概念は「緻密に計算されて作られた単純さの調和」ではないかと考えます。

その後、日本で過ごす時間が増えてきた私には、陶芸に代わって制作意欲を満たしてくれる何かが必要でした。写真を撮るのが好きとはいえ、実際に手で何かを作る充実感には足りませんでした。
ガラス工芸は陶芸と似通った点がたくさんあります。火を使い、非常に表現の幅と用途が広いことです。ですが、その過程はまったく異なっており、それがまた魅力となっています。ガラス工芸は陶芸よりも小さなスペースで行うことが可能で、工程にかかる時間が一般的に短時間で済みます。

近年、2人のアメリカ人と出会いました。東洋文化研究家のAlex Kerr(アレックス・カー)とPaul Cato(ポール・ケイトー)。二人もまた、日本文化に精髄し影響された人々です。私は彼らの日本の文化遺産を保全・修復する事業に参加し、特に山岳部の茅葺き古民家の保全を中心に活動しました。

山での仕事をとりあえず終えまた大阪に戻ってきましたが、またいつか山に戻ると思います。私の人生は山と海、土とガラスを行ったり来たりするもののようです。





National Geographic Traveler Jan-Feb 2012

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